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第一章 最終話


 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(東京2020組織委員会)は、来年7月23日に開会する東京2020オリンピックの開始時刻に合わせ、本日(2020年7月23日(木・祝))20時より、大会を目指す全てのアスリートへのエール、大会を支えてくださる全ての人々への感謝・敬意を込めた動画を、オリンピックスタジアム(国立競技場)から世界に向けて発信しました。アドタイ
 2020年7月24日、アナと義助が、練習の休憩中に、スマホで、この映像を見ていた。 「『+1』か、良い言葉だ」  義助が、動画を見終わって、しみじみと言った。 「そうかしら?」  アナが、不思議そうに聞いた。 「だって、アナだって、『+1』じゃないか」 「……あ、そう言うことか」  アナの二十一番染色体は、一本多い。アナが、それに気付いて、義助に微笑みかけた。アナは、義助が、そう言うところに気付いてくれる優しいところが好きだった。 「さ、練習練習」  義助が、少し照れ臭そうに練習を始めた。義助は、いつもアナのことを考えていた。 「ありがと!」  アナが、義助の後に続いて、走り始めた。
 2020年8月3日のニュース記事:  来年に延期された東京パラリンピックの新たな競技スケジュールが発表され、ことしの計画とすべて同じ会場、同じ日程で1日前倒しして行われることになりました。  大会組織委員会は3日記者会見を開き、新型コロナウイルスの影響で1年延期された東京パラリンピックの22競技539種目の新たなスケジュールを発表しました。  来年の大会はことしの計画から1日前倒しした8月24日から13日間の日程で行われ、一部の競技で実施時間を調整した以外は、すべて同じ会場、同じ日程で実施されます。  開会式は8月24日、閉会式は9月5日で、いずれもオリンピックと同じ午後8時に始まります。  最初の日曜日となる大会6日目の8月29日は「ゴールデンサンデー」と位置づけ、日本に金メダルの期待がかかる車いすラグビーなど、期間中で最も多い63種目で決勝が行われます。  大会組織委員会は3日午前11時すぎから東京パラリンピックの新たな競技日程の発表会見を開きました。  パラリンピックの運営を担当する中南久志パラリンピック・ゲームズ・オフィサーは「来年の夏、パラリンピアンが真に輝く大会を実現することが人間のくじけぬ力を示し、世界の希望をともす機会となることを期待している」と述べました。  東京大会の代表に内定しているテコンドー男子61キロ級の田中光哉選手(28)がオンラインで参加し、「明確にこの日という照準が定まってそれに向けてこの1年、どう練習スケジュールを組むか考えて、良い準備をしていきたい」と話しました。  生まれた時から両腕に障害がある田中選手は「パラリンピックの舞台は見ていただく人に勇気を与えたり、挑戦する姿で感動を与えられたりする大会だと信じている。新型コロナウイルスの不安がある中で、アスリートととして競技の中でそういう姿を少しでも見せていきたい」と意気込んでいました。NHKウェブニュース
 アナ、カズ、義助が、支援学校の運動場で自主練をしていた。 「嬉しいニュースだね」  アナが、スマホのニュースを見て、顔をほころばせた。 「まだまだこれからだよ。第二波、第三波が、来るかも知れない。杞憂に終われば良いが……」  義助は、冷静沈着だった。  東京オリパラの命運や如何に――。



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