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第三章 第二話
天気は、朝から快晴だった。静止衛星が、太陽に明るく照らされた東京の町並みを映した。太陽は、何もなかったように、東京を温かく包み込んだ。
五輪SNSのメッセージ:〈初めて見た映像だ〉
五輪SNSのメッセージ:〈幻想的だね〉
イベントのライブ配信と同時に、世界中の障害児が、自国の状況を五輪SNSを通じて、ライブ配信した。だから、インターネットでは、各国の朝焼けが、配信されていた。その国の障害児の生活も、垣間見れた。
ライブ配信は、配信と同時に現地の言葉に翻訳されて表示された。そして、五輪SNSのメッセージもまた、現地の言葉に翻訳されて、世界中の障害児が、交流できた。もちろん健常児も見ていた。
五輪SNSのメッセージ:〈なんか、ほっこりするね〉
みんなの心が、満たされて行くのが、手に取るように感じられた。
各国の障害児が、色々なコメントを披露した。ほとんどは、新型コロナウイルスと東京オリパラに関するものだった。
五輪SNSのメッセージ:〈ここまで来たら、みんなの力で、実現させようよ!〉
力強いメッセージが、多く集まった。
*
泳子は、総合病院に搬送されて、緊急オペを受けていた。
泳子の父と母も、総合病院に駆け付けた。
「しっかりしなさい。必ず救うから」
執刀医は、カズの父だった。
「泳子……無事でいて……」
泳子の母が、手術室の外の廊下で、泳子の父の胸で泣いた。
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- https://travel.rakuten.co.jp/mytrip/trend/newyear-sunrise-kanto/
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