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第三章 第四話
アナ、カズ、義助は、ライブ配信をしながら、自分たちの通う支援学校に向かっていた。これから、授業参観の風景を世界に発信するのだ。
三人が、教室に着くと、支援学校の先生、アナの母、カズの母、義助の母が、教室に待機していた。
「泳子ちゃん、大丈夫そう?」
支援学校の先生が、心配した。
「大丈夫です。お父さんが、付いているから」
カズが、自信を持って答えた。
「それでは、授業参観を始めます。アナ、2×3は?」
支援学校の先生が、数学の授業を始めた。
「6です」
「おお~」
三人の母が、拍手をした。
「カズ、6×7は?」
「42です」
「すご~い!」
三人の母が、感激していた。
「義助、42×8は?」
「336です」
「凄いわ!」
教室が、感動の渦に巻き込まれた。三人の学力に誰もが驚かされた。
五輪SNSのメッセージ:〈奇跡だ……奇跡が起きている……〉
五輪SNSのメッセージ:〈合っているの?〉
そうして、授業参観が、幕を閉じた。
「な~んてね!」
アナが、嬉しそうに画面に満面の笑みを浮かべた。
「ドッキリだったんです!」
カズも、アナに続いて、白状した。
実は、この授業参観には、台本があって、質問も答えも、全てシナリオ通りだったのだ。
「ハッハハハハ」
アナ、カズ、義助は、誇らしげに笑った。
五輪SNSのメッセージ:〈知ってるよ〉
五輪SNSのメッセージ:〈知らないのは、三人だけ〉
実は、三人の作った台本が、ライブ配信中に撮影されていたのだ。
「し、知っていたのか……?」
五輪SNSのメッセージ:〈みんな知っているよ。その奮闘ぶりを楽しんでいたの。アナたちの一生懸命な姿が、心を打つ〉
五輪SNSのメッセージ:〈日本は、平和だね〉
アナ、カズ、義助は、笑うしかなかった。
「それじゃ、あとは、中国の李武志くんにお任せします!」
アナが、気を取り直して、元気よく言った。
インターネットのライブ配信が、中国の李武志の元につながった。
「さ、こうしちゃいられない」
アナが、真剣な表情を浮かべて言った。
アナ、カズ、義助は、泳子の元に急いだ。
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