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第四章 第十一話


渡辺直美

 2021年3月18日:  東京オリンピック・パラリンピックの開閉会式の演出を統括するクリエイティブ・ディレクターの佐々木宏氏(66)が、タレントの渡辺直美さんの容姿を侮辱する不適切な演出案を発案していたと週刊文春が報じたことを受け、辞意を表明した。  渡辺直美さんのコメント:「オリンピックの件ですが、去年、会社を通じて内々に開会式への出演依頼をいただいておりましたが、コロナの影響で オリンピックも延期となり、依頼も一度白紙になったと聞いておりました。それ以降は何も知らされておらず、最初に聞いていた演出とは違うこの様な報道を受けて、私自身正直驚いております。表に出る立場の渡辺直美として、体が大きいと言われる事も事実ですし、見た目を揶揄されることも重々理解した上でお仕事をさせていただいております。実際、私自身はこの体型で幸せです。なので今まで通り、太っている事だけにこだわらず『渡辺直美』として表現していきたい所存でございます。しかし、ひとりの人間として思うのは、それぞれの個性や考え方を尊重し、認め合える、楽しく豊かな世界になれる事を心より願っております。私自身まだまだ未熟な部分もありますので、周りの方にご指導いただきながら、これからも皆様に、楽しんでいただけるエンターテイメントを作っていけるよう精進して参りたいと思います。」

BuzzFeed
 学校の休み時間に、アナとカズが、ニュースをチェックしていた。 「渡辺直美さん、真摯なコメントだね」アナが、感心した。 「うん、僕らも、色々言われるけど、このくらいどっしりと構えたいよね」カズも、同じ気持ちだった。 「緊急事態宣言は、解除されたけど、『首都圏の1都3県は、緊急事態宣言が解除されたあとも3月末まで不要不急の外出自粛や営業時間の短縮要請』だって……」 「ああ、欧米では、変異ウイルスが、流行っているらしい」 「どうなっちゃうんだろう、東京オリパラ」
緊急事態宣言が解除

 2021年3月18日:  首都圏の1都3県は、感染の再拡大を防ぐため緊急事態宣言が解除されたあとも3月末まで不要不急の外出自粛や営業時間の短縮要請を続けます。

NHKウェブ
海外観客受け入れ断念

 2021年3月20日:  この夏開催される東京オリンピック・パラリンピックは海外からの観客の受け入れが見送られることが決まりました。20日開かれたIOCや大会組織委員会など5者による会談で日本側から海外観客の受け入れを断念するという結論を報告しました。

NHKウェブ
サンド伊達

 2021年3月25日:  お笑いコンビ・サンドウィッチマンの伊達みきおが25日、ブログを更新。この日から始まった東京五輪・パラリンピックの聖火リレーについて、聖火リレー公式アンバサダーとして「しっかり聖火リレーを盛り上げる役割をしたい」と改めて、意欲をにじませた。  伊達はスタート前にブログを更新。新型コロナがまだ猛威を振るっているという状況のため「大会開催には賛否があるのも勿論よくわかります」とした上で「我々は、聖火リレー公式アンバサダーとして数年前に任命された以上、しっかりと聖火リレーを盛り上げる役割をしたいと思います」と意欲をにじませた。  アスリートに対しても「開催を信じ、金メダルを目指して一生懸命に練習している。でも、なかなかこのご時世『開催して欲しい!』って公に言えないでいると聞いた。それって凄く辛いと思う」と同情し「コロナ対策を厳重にしっかり考えて、本当に気をつけてオリンピック・パラリンピックが開催される事を祈っております」と投稿。  そして「我々は、日本代表のオリンピック・パラリンピックの出場選手達を精いっぱい応援する。大会の開催に際しては色々制限はあるだろうけど、このどんよりとした世の中を明るく切り替えるチャンスだとも思う」との気持ちも伝えていた。

デイリースポーツ
堂安律

 2021年3月25日:  海外で生活しているので、東京五輪に関する日本の温度感はあまり感じ取れていないんですけど、「東京五輪は中止でいい」という意見が日本で根強いことはもちろん知っています。ただ、ひとりのアスリートとして、あえてこれだけは言わせてください。  絶対に東京五輪を開催してほしい――。  コロナで延期になっても、この気持ちがブレることは一度もなかったし、どうしても譲れない俺の本音です。中3の頃から憧れ続けた夢の舞台だし、そこで活躍するために必死でサッカーがうまくなるようにがんばってるんで。どれだけ世間にバッシングされても、「東京五輪に出たい」と俺はハッキリ言い続けますよ。  最近、スケジュールが合わないことを理由に聖火ランナーを辞退する人が増えていますけど、もし枠が空いていたら、ぜひ俺を指名してほしいですね。  聖火ランナーですよ? こんな名誉なことはないでしょ。東京五輪を少しでも盛り上げたいので、もし辞退する人が多いんだったら、600mでも800mでも俺がひとりで走りますよ!

週プレNEWS
「森喜朗さん、佐々木宏さんと女性蔑視が続いて、聖火ランナーの辞退者続出だったけど、ここへ来て、潮目が変わった感があるね」アナが、ニュースを読んで微笑んだ。 「確かに反対する気持ちもわかるけど、伊達さんや堂安さんの意見に耳を貸すのも、多様性だろうね」カズが、意見を述べた。 「このまま、どんな形であれ、東京オリパラを開催してもらいたいな」 「そうだね」


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