二万人の裁判員

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最終話


 外国人妻のスマホの動画撮影のスイッチは、入ったままだった。裁判員裁判の一部始終が、ネットに配信されていた。
 ネットのコメント:〈裁判員裁判って、オモロイな〉
 閲覧者は、二万人だった。その二万人の裁判員が、事件を解決してくれた。

「裁判員制度では、裁判の進め方やその内容に国民の視点、感覚が反映されますので、その結果、裁判全体に対する国民の理解が深まり、裁判がより身近に感じられ、司法への信頼が高まっていくことが期待されています」
 裁判官の言葉が、アナの脳裏をよぎった。

 果たして、裁判員裁判の目的は、達成されたのだろうかーー。

「裁判員制度にするなら、裁判をライブ中継して、国民の声を聞けば良いのに」
 アナが、一人、呟いた。

 アナと外国人妻は、帰り道、一緒に駅まで歩いていた。
「本当に日本語、分からないんですか?」
 アナが、外国人妻に聞いた。
「分からない」
 外国人妻が、答えた。
 アナは、外国人妻が、意図的に裁判員の姿をネット配信していたように感じた。





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