ALSは、運動神経系が少しずつ老化し使いにくくなっていく病気です。運動神経系の障害の程度や進行速度は個々の患者さんでみな異なっています。知覚神経系は障害されないと言われています。ALS患者さんは、長い間、発症後3~5年で生じる呼吸筋麻痺や嚥下筋麻痺で亡くなる病気とされてきました。しかし、現在では呼吸の補助や経管栄養、胃ろうなどの発達により、長期に療養することが可能となってきています。呼吸の補助をしながら療養している患者さんでは、会話による意思疎通が図りにくくなることも少なくありません。そのような場合でも、残っている他の運動機能系を用いて会話以外のコミュニケーション手段が様々考えられてきています。また、ALSは国の特定疾患に指定されており、公費による医療費の自己負担分の一部や全額の助成を受けることが可能となっています。さらに、ALSの原因追及の調査研究により良い療養ケアの推進が積極的に行われています。