童話
白雪姫
ある国に、「白雪姫」と呼ばれる愛くるしいダウン症の王女がいました。
しかし、白雪姫の継母である王妃は、自分こそが一番かわいいと思い、妬んでいました。
「世界で一番かわいいのは誰だい?」
継母は、魔法の鏡に尋ねると、鏡は答えます。
「それは王妃様です」
王妃は、その答えを聞いていつも満足していました。
しかし、白雪姫が 17 歳になった頃、王妃が鏡に問います。
「世界で一番かわいいのは誰だい?」
「それは白雪姫です」
これに怒った王妃は、狩人に、命じました。
「白雪姫を森に連れ出し、殺してしまいなさい」
しかし、狩人は、白雪姫を不憫に思い、殺さずに、森に残しました。
森に残された白雪姫は、7 人の小人に守られ、一緒に生活することになりました。
「世界で一番かわいいのは誰だい?」
「それは白雪姫です」
この答えを聞き、王妃は、白雪姫がまだ生きていることを知ります。
王妃は、りんご売りに変装して、毒入りのりんごを白雪姫に渡します。
白雪姫は、何の疑いもなく、りんごを食べてしまいました。
「世界で一番かわいいのは誰だい?」
「それは白雪姫です」
りんごを食べて死んでいるのに、鏡の答えは変わりません。
一方、7 人の小人に見守られ、ガラスの棺に入れられた白雪姫。
そこに、王子が通りかかり、キスをしました。
その途端、白雪姫は、のどに詰まっていたりんごのかけらを吐き出し、生き返ります。死んでいなかったのです。
王子は喜び、白雪姫を王妃に迎え、幸せな日々を過ごしました。
「世界で一番かわいいのは誰だい?」
「それは王妃様です」
ようやく、魔法の鏡の答えが「王妃」になり、喜んでいたのは、白雪姫の継母。彼女もまた、それなりに幸せな余生を過ごしたのです。
「争い事は嫌いです」
白雪姫は、いつでも優しく、クレバーなんです。
了
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- https://www.amazon.co.jp/白雪姫-ディズニーゴールド絵本-森-はるな/dp/4062625261
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